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自己破産 離婚(慰謝料、離婚後離婚前など)

(公開: 2012年02月09日)

ここでは、自己破産と離婚について書いていきたいと思います。

このページではおもに以下について書いていこうと思います。

・自己破産と離婚(債務の帰属先)

・離婚前に自己破産をしたらどうなるのか?

・離婚後に自己破産をしたらどうなるのか?

・偽装離婚について(詐害行為)

・補足(慰謝料の法的扱いについて)

・自己破産と離婚

夫婦の一方が多額の負債を抱えて自己破産する。無い話ではありませんし、「夫の借金が理由で離婚した。」という話は、離婚原因の中でも良くある部類に入るかと思います。

しかし、自己破産=離婚 というのは、少々おかしな話ではあります。

確かに、夫が妻に無断で隠れて多額の借金をしていたら、たいていの妻は夫に愛想を尽かし、逆三行半で離婚となるでしょう。

この場合のほとんどは、夫自身のために行った借金(バー通い・ギャンブル等が主な借金理由)であり、妻には1円たりとも返済の義務はありません。

ただし、いかなる事情であろうとも借り入れの際に妻が連帯保証人の欄にサインしてしまった場合、これは妻にも支払い義務が生じます。離婚するしないは一切関係ありません。

次に、生活のために行った借金の場合、

この場合は夫婦間で話し合いを行っているはずです(そうあってほしい・・・)。金融会社に借り入れを申し入れる際も同伴で行くのではないでしょうか(そうあってほしい・・・)。

同伴で借り入れに言った場合は、おそらく借入人:夫、連帯保証人:妻 という形で借金すると思います。

というよりも、こういった場合はそうすべきだと個人的には思ってしまいます。

とはいえ、生活のための借金は「夫婦共通の負債(日常家事債務)」にあたるので、夫または妻が単独で借金したとしても、保証人云々以前に互いに連帯してその支払いの義務を負うことになります。

となると、離婚は全くの無意味になります。

この場合、一方の名義で借金をしている状態で離婚をしても、借金は財産分与により負債も分割され、ともに支払いの義務を負ったままになります。

一方が借入人でもう一方が連帯保証人となってる場合も、離婚したからといって保証人から外れることはありませんので、両者ともに当然に支払いの義務が生じます。

夫婦で必要な額を借金したのであれば、離婚せずに一緒に努力して返済を続けることのほうが大事だと思います。

・離婚前に自己破産をした場合

 

免責を受けるためには換価資産を処分する必要があります

持ち家や車等の資産がある場合は、処分対象です(共有資産の場合は破産者の持分のみが処分される)。

※ただし、持ち家がオーバーローン(住宅の価値が著しくローン残高より低い状態)である場合は持ち家はそのままになります。

また、個人名義の資産は別個に取り扱われ、破産者の個人資産のみが処分対象になります。(個人名義であったとしても実質的に共有資産であると認められる場合は処分対象になります。)

・また、自己破産は申立本人にのみ効果を発揮するので、夫が自己破産した場合でも妻が保証人になっている負債に対しては、妻にその支払い義務が生じます。

結果としては、夫婦2人とも自己破産の申立をする必要があります。(そうすると妻の持ち家の持分も換価処分される)

慰謝料の請求権は自己破産後に生じるので(自己破産後に離婚するわけなので)、慰謝料に関する債権債務は残ります。(といっても弁済の資力があるとは思えませんが。)養育費も同じことです。

結果として、夫・妻ともに債務および資産なしの状況になります。

・離婚後に自己破産する場合

離婚時に財産分与として、夫婦共有の負債は両者に分割されます。両者ともそれぞれに自己破産の申立を行うことになると思います。

一方が慰謝料を請求している場合、請求された側が自己破産すると慰謝料も免責の対象ですので、免責が決定すればその時点で慰謝料の支払い義務はなくなります

・持ち家がある場合は離婚前と同じ状況になります。

結果、両者とも債務および資産(妻はさらに慰謝料の債権)なしの状況になります。

どちらにしても、最終的な状況はほぼ同じです。

破産するから離婚する。や、離婚をすれば破産時に有利になる。といったことはないです。

・偽装離婚

夫が己のために借金をして自己破産が迫られる状況において、

「負債を夫がすべて背負い、夫名義の資産(持ち家等)を妻に名義を変更した上で離婚すれば、資産を守ることが出来る。」

と考える方もいると思います。

が、

それはほぼ無理です。

このような行為は「詐害行為(債務者が債権者を害する法律行為)」と判断され、この名義変更は債権者は取り消すことが出来ます(詐害行為取消権)

ただし、詐害行為の対象は「財産分与に関して不相応に過大である」と認められるものにのみですので、すべての資産に対して名義変更の取り消しが許されているわけではないです。(とはいえ、明らかに財産分与という形を偽装した名義変更は取り消しの対象となります。)

この名義変更が善意(詐害行為となることを知らなかった)であれば、債権者は詐害行為取消権を行使できないのですが・・・この場合、それはまずありえないですよね。

これから自己破産をしようとする人間が、建物という大きな資産を破産前に譲渡処分するのは、不相応な財産分与といわざるを得ません。

結論

「自己破産するから離婚を考える」は考えるだけ無駄。

・補足

他のサイトを見ていると、「慰謝料は自己破産と無関係」と書いているところが散見されますが、

「慰謝料も立派な債権債務」です。

慰謝料という債権債務が発生した後に、債務者が自己破産して免責されれば、当然債務たる「慰謝料」も免責され、債権者側は慰謝料を受け取ることは出来ません。



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